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高崎市中尾町 “まぁるいケーキ”にこだわる情熱!!幸せ届ける焼き菓子屋さん

今回取材で訪れたのは高崎市中尾町。無添加クッキーのお店『anpontan(アンポンタン)』で製造を担当する関口さんへ、甘いお菓子が作るひとときについて語っていただいた。素材へのこだわり、ホールケーキ作りへの挑戦。「お菓子を食べて幸せな時間を過ごしてほしい」という関口さんの情熱をご紹介しよう。

2021.12.04

幸せな、暮らし

「幸せの味」と言われたら、皆さんはどんな「味」を想像しますか? 今回は高崎市のあま~い幸せをつくるクッキー屋さんへ伺いました。

高崎の街にある幸せ

昨年発表された「都道府県別幸福度ランキング」。高崎市は中核市部門において全国3位という結果だったのをご存じだろうか。調査内容は公的な統計データをもとに「健康」「文化」「仕事」「生活」「教育」の5分野を分析。商都高崎ならではの「仕事」分野はもちろんのこと、「生活」分野の好成績が結果に大きな影響を与えたという。

高崎の街には「幸せ」な暮らしがある——そんな結果を、実際に日々この街で暮らすあなたはどう受け止めるだろうか。幸せな暮らしという言葉が示す日常を想像しながら、本記事を読んでみてほしい。

 

店頭での直接販売はしていない『anpontan』。直接販売がないお店の「貴重な作り手の声」、じっくりとお読みください!

無添加クッキーのお店『anpontan(アンポンタン)』

今回取材で訪れたのは高崎市中尾町。以前“こだわりのカツサンド職人”を紹介した『かつサンド工房PANTON』の隣にある、無添加クッキーのお店『anpontan(アンポンタン)』へやってきた。製造を担当するのは株式会社グティの関口裕子(せきぐちゆうこ)さん。「お菓子を食べて幸せな時間を過ごしてほしい」と話す彼女に『anpontan』の美味しさの秘密を教えていただいた。

衣、食、住——暮らしの基本と呼ばれる大切な要素たちは、知らず知らずのうちに私たちの「幸せ」を支えてくれている。甘いお菓子が作るひとときをご紹介することで、高崎で暮らす幸せを探すヒントになればと思う。

美味しさの秘密を探るべくインタビューをお願いした、無添加クッキーのお店『anpontan』。皆様もぜひ、甘いお菓子を傍に準備してお読みくださいませ~🍪

『anpontan』が作るもの

終始にこやかに、優しさあふれる受け答えをしてくださった関口さん。お菓子作りにちなんだ洋服がとってもお似合いです。

美味しさ、優しさ

素材にこだわったクッキーやラスク、そして毎月1度だけ予約販売されるホールケーキ。『anpontan』のお菓子は美味しいだけでなく、心にほっと優しさや温かさを届けてくれる味がする。インタビューでまず伺ったのは、関口さんがお店を始めるまでのお話。気になる店名『anpontan』の由来についてもお聞きした。

「ずっとお菓子作りをしたいと思っていた私が『anpontan』を始めたのは2014年。出産・育児でお休みをもらいながら、今までお菓子作りを続けてきました。お店を始める以前は看護師の仕事をしていて、市内の糖尿病専門クリニックに勤めていたんです。患者さんと健康の話をしたり、食事指導をさせて頂いたり。仕事を通じて体に優しいお菓子作りがしたいなと思うようになっていきました」

「ただ、パティシエとしての経験も少ないし、看護師の仕事も覚えたばかりだし……。お店を始めたくても、二の足を踏んでばかりだったんです。ところがある日、見かねた主人が一言『できない理由を数えている暇があったら、一つでもいいからやってごらん』と声を掛けてくれて。あれができない、これが不安とモヤモヤしていた私にとってはまさに鶴の一声で、あっという間に目の前が晴れて『お菓子作りの仕事をしよう!』と動き出せたんです」

「病院で医療の仕事に誇りをもって働いていた方々のように、今では私もお菓子の仕事に誇りを持って働いています」と目を輝かせて話をしてくれた関口さん。病院での経験を活かした体に優しい無添加・素材にこだわる『anpontan』のお菓子は、こうして誕生したのだった。

「『anpontan』の名前は、はもともと主人の営んでいた雑貨屋さんの名前で。響きを気に入った私が、名前を受け継いで名付けました。あんぽんたん、と覚えやすくて可愛い音も、“からっぽ”というイメージも気に入っています。辛いことの多い世の中でも『anpontan』のお菓子を食べるときは心も頭も空っぽにしてリラックスしてほしい。『明日からまた頑張ろう!』と思えるような、心を本来あるべき場所に戻してくれる美味しいお菓子を目指しています」

雑貨屋時代の『anpontan』は、関口さんが旦那さんと出会った思い出の場所なのだとか。「『anpontan』という場所を、なくしたくなかったんです」と、ちょっぴり照れつつご紹介いただきました(キュン…♡)

ちょっぴりビターなコーヒーラスクには、高崎市下豊岡町の矢嶋園「Meire茶(和紅茶)」がオススメとのこと。
お菓子と飲み物でコーヒーと紅茶が楽しめる……なんともリッチな体験です~。

素材にこだわる

現在は高崎オーパ1階の『高崎じまん』と棟高町の『スーパーまるおか』、『かつサンド工房PANTON』で取り扱いがあるという『anpontan』のお菓子。しっかりした小麦粉の甘味や旨味が引き立つお菓子は、甘いものが得意でない人もつい手が伸びてしまう魅力がある。美味しさの秘密について尋ねると「素材にこだわっています」とのこと。続いては食材へのこだわり、『anpontan』の美味しさについてお話いただこう。

「今は4種類のクッキーと『キャラメルナッツのコーヒーラスク』を販売しています。こだわりは“無添加”で“美味しい素材”を使うこと。手作りで体に優しい素材を使って、食べる人が健康で過ごせるようなお菓子や環境・地域に優しいお菓子が作れればと考えています」

食の安全やおいしさに真摯に向き合い、“本物”の食材を作り続けておられる素敵な方々です」と書かれた『anpontan』のWEBサイトにある生産者紹介を見ると、小麦は高崎市井出町の『福田有機ファーム』、卵は富岡市の『自然工房 堀込農園』、バターは以前「高崎で暮らす」でも紹介した箕郷町の『株式会社ホワイトファーメント』と名前が並ぶ。

「以前中国出身の方から『中国は北と南で食べる物が大きく違うから、自分が育った土地の食べ物を食べると調子がいいんだ』とお話を聞いたことを思い出しました。地元のものを地元の人が食べる『地産地消』や旬の食べ物を食べることは、体にも心にも良いですよね。『anpontan』では一つ一つの素材を吟味して、顔の見える生産者さんを選んでいます。『anpontan』のお菓子を通じて、少しでもそういう素晴らしい食材づくりをされる方々を応援できればと思っています」

「高崎という自然豊かな地域を活かして、素材の物語も伝えていきたいと思っています。先に紹介した小麦や卵・バターだけでなく、季節のケーキで使う果物や旬のものも身近なところで手に入れることができます。生産者の想いを『anpontan』が責任もって伝えていけるよう、記憶に残る一口を作り続けていきたいです」

より美味しい食材を求めて、今も改良を繰り返していると話す関口さん。幸せの一口を作り続ける彼女の活動は、地域を巻き込んでどう進化していくのだろうか。自然豊かな高崎の街、これからの「食」が楽しみになった。

お土産に大人気の『キャラメルナッツのコーヒーラスク』には、箕郷町の『MAKAP COFFEE』さんの豆が使われているそう。挽きたて淹れたてのコーヒーの香ばしさや旨味をぎゅっと閉じ込めたラスクは、まるで「美味しいコーヒーを飲んだような」体験が楽しめるのでオススメです!

“まぁるいケーキ”がつくる時間

こちらは2021年11月限定「毎月クリスマス」のケーキ。トッピングにはみなかみ町の美味しいリンゴが使われているそうです(食べたい!!)

毎月クリスマス

最後にご紹介したいのは『anpontan』のホールケーキについて。『毎月クリスマス』と名付けられた企画は、毎月月末に季節のケーキを会員限定で購入することができるサービスである(※現在は応募多数につき新規会員募集はお休み中)。関口さんは「どうしても、“まぁるいケーキ”が作りたくて」とホールケーキ作りへの想いを語ってくれた。彼女が甘いお菓子で作りたい風景、それは一体どのような景色なのだろうか。

「私がお菓子に興味を持つきっかけを作ってくれたのは、母でした。小さい頃アトピーや喘息で病気ばかりしていた私に、料理やお菓子を手作りしてくれて。自然と手作りのお菓子やお菓子を作ることに魅力を感じるようになったんです。また父は開発職に就いていて、私も新しいレシピを作るのが好き。……改めて、両親のおかげで今の私があるんだと感じています」

「また、私の家族は記念日になると“まぁるいケーキ”を食べるのがお約束でした。ホールケーキを家族みんなで囲んで食べる、私はその景色に幸せを感じるというか、憧れがあるんですね。だからどうしてもホールケーキが作りたくて、苦肉の策で月に一度だけ『毎月クリスマス』と名付けて販売することを決めました。今は核家族化やコロナ禍で一つのケーキを囲む機会も少ないと思いますが、皆で美味しいものを一緒に食べてもっと“まぁるい”関係になってほしい。そんな願いを込めながら、ケーキ作りをしています」

「お誕生日や記念日にケーキを作ってほしいとリクエストも多いのですが……」と申し訳なさそうな表情で答える関口さん。現在子育て中の彼女がひとりで焼き菓子やケーキを製造する数には限度があり、育児と仕事のバランスをとりながら挑戦中なのだという。自分のお菓子作りへの道を作ってくれた家族への感謝と、お菓子作りへの情熱——どちらも大切にしたいという想いが伝わるからこそ、『anpontan』のお菓子には心揺さぶられる味わいがあるのかもしれない。

今年もいよいよ12月、クリスマスを楽しみにする人も多いだろう。「『毎月クリスマスのケーキが届いたから皆で食べよう!』とケーキを囲む機会が一つ増えたら嬉しいです」と関口さん。私たちの心の中にある“まぁるいケーキ”のイメージはそれぞれでも、その美味しさは笑顔あふれる幸せなひと時を生み出すことは変わりない。

何気ない毎日を幸せに感じる心、それは『anpontan』を始め高崎の様々な場所にほっと一息つける場所や物が支えてくれている。ぜひあなたも今日の“ごほうびタイム”に幸せを感じながら、日常の中に隠れた街の魅力を探してみてほしい。

 

 

無添加クッキーのお店 anpontan(アンポンタン)

住所:〒370-0001 群馬県高崎市中尾町699−3
電話:090-5511-0525
☆オンラインショップもございます。

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この記事に関連するメンバー

西 涼子

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群馬県でフリーのライターをしている西(編集長)です!
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